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「ポッタリアン情報局」分室。 今後はこちらを中心に更新していきます。 原書購読奮闘記のログ、コメント、その他のコンテンツも順次こちらに移行する予定です。 各記事にコメントをつけられますので、ぜひ、どうぞ。 お待ちしております。
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マイケル・ガーバー 著
[アップリンク(河出書房新社)]

  • 「バリー・トロッターと愚者のパロディ」
    浅尾敦則 訳/317頁/18cm/2002.10出版/1554円(税込)/ISBN:4309905064
  • 「バリー・トロッターと誰も望まない続編」
    小松亜也子 訳/375頁/18cm/2004.4出版/1554円(税込)/ISBN:4309905722


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原書読破のガイドということですが、各国で発売された翻訳本の表紙など見る要素も多い本



ホグワーツ魔法学校は7年制。
「ハリー・ポッター」シリーズは、1作ごとに1年ずつ時が進み、ハリーが卒業する7作目でシリーズも完結する予定だそうです。
ローリングさんは、全7巻の結末部分を第1巻「〜賢者の石」の完成前に書き終えていて、その原稿は銀行の金庫に眠っているそうです。


一方、ワーナーにより、「ハリー・ポッター」シリーズと思しきタイトルが英国特許庁にすでにいくつか商標登録されています。2002.10
2000年4月に、
「Harry Potter and the Alchemist's Cell」
「Harry Potter and the Chariots of Light」
「Harry Potter and the Pyramids of Furmat」の3つ。
ちなみに、5作目のタイトルは、
「Harry Potter and the Order of the Phoenix」は2000年10月に登録されました。


そして、2003年9月に英サン紙が報道したところによると、
さらに2つのタイトルが最近(2003.7/24)イギリスで商標登録に新規申請されているそうです。
「Harry Potter and the Mudblood Revolt」、
「Harry Potter and the Quest of the Centaur」の2つ。
この登録をした「シーボトム・プロダクションズ」という会社の住所は、
ワーナー・ブラザースの顧問弁護士事務所と同一だそうです。
これについて、原作者のローリングさん側は、ノーコメント。


その後、さらにいくつかのタイトルが新規申請されていることがわかりました。


  • Harry Potter and the battle for hogwarts
  • Harry Potter and the final revelation
  • Harry Potter and the great revelation
  • Harry Potter and the green flame torch
  • Harry Potter and the half-blood prince
  • Harry Potter and the hallows of hogwarts
  • Harry Potter and the hogsmeade tomb
  • Harry Potter and the hogwarts hallows
  • Harry Potter and the parseltongue trophy
  • Harry Potter and the realm of the lion
  • Harry Potter and the serpent's revenge
  • Harry Potter and the shadow of the serpent


余分なタイトルをめぐって
いろいろな噂がたびたび飛び交っていますが、
シリーズは7作で完結で8作目はない、とローリングさんはコメントしています。
また、未完のものについてはタイトルは未発表(未定)でローリングさんは、
家族を含めて誰にも教えていない、ということだそうです。


例えば、車の名前がそうですが、「保険」の意味で余分に商標登録することは
よくあることですから、これ以上詮索しても何も明らかな話は
出て来ないと思いますが…繰り返すんですよね、この話題…


ちなみに、米ワーナー・ブラザース社は、原作をベースにした
「ハリー・ポッター」シリーズ映画7本を10年間で公開する予定になっているらしいです。
とはいえ、スケジュールは後倒し気味なので、はてさてどうなることでしょう…。

目次


これだけのボリュームがありながら、目次がないのは UK版。
これはお国柄だろうか?
目次を見て中身を想像してから読むかどうか決める、なんてことは、UK版だったらできない。
これは新たな読者を獲得する上で不利な条件にならないとも限らない。
…が、Harry Potter シリーズは、目次がないことを念頭において章タイトルをつけているように思われる。
一番それがわかりやすいのが、4巻「〜炎のゴブレット」。


12章 The Triwizard tournament (三大魔法学校対抗試合)

17章 The Four Champions (四人の代表選手)

3校対抗なのに、代表選手が4人とは、これは筋をばらしているようなものだ。
これから読む章の章タイトルすら知らずに読み進めていった方が、ずっと面白いストーリーだと思うのだが…。


表紙絵


私が好感を持っているのは、UK版よりもUS版よりも日本版である。
それは物語の一場面を表しているものではないからだ。
目次を知らない方が面白く読み進められるのと、同じ理由。
物語の内容に触れるような絵もない方がいい。


私は、日本版から Harry Potter シリーズに入ったのだが、原書も読んでみようと思った時、
本屋でUK版の表紙(その時は adult edition はまだ出版されていなかった)を見てショックを受けた。
ショックのあまり、原書を読むのを、その時はやめてしまったくらいだ(笑)。
なぜショックだったかというと、絵が物語のネタばれであること、
主人公ハリーのイラストが自分のイメージと合わなかったこと。
そして、UK版の場合、「〜 Philosopher's Stone」と「〜 Chamber of Secrets」では表紙絵のイラストレーターが
違うのか同じシリーズにもかかわらず絵のテイストが違うのも不満だった。
(最後の点については、UK事情としては珍しくないことのようだが)
US版の場合も似たり寄ったり。
ネタばれ感はやや薄らぐもののそれでもやはりネタばれはネタばれ。
アメリカンなハリーのイラストはもっと苦手(←個人的嗜好です)。
絵のテイストが統一されているのはかろうじて好印象だが、それでも手にとろうという気を起こさせる程の魅力はない。


その後、UK版 adult edition が出版された。
モノトーンでシックなイラストになり、主人公ハリーは表紙から姿を消した。
読者が自由に思い描けるよう人物のイラストがなくなったのは歓迎だが、
やはりネタばれな絵であることにはかわりなく、
今度こそ入手しようという気にさせる吸引力はなかった。
(結局、若干、安いという理由で UK版Children's edition を買って読んだ)


ところが、5巻「〜 Order of the Phoenix」になると少し事情が変わってくる。
US版は同じ路線で物語の一場面 (それもクライマックスではないか!) だが、
UK版は、children's edition, adult edition ともに不死鳥の絵である。
結論から言うと、UK版の表紙絵は、物語の一場面ではない。
物語の一場面であろうとなかろうと、
本のタイトルが「〜 Order of the Phoenix」なので表紙に不死鳥(phoenix)が描かれていたところで、
絵が原因でネタばれだなんだかんだとは言えない。
adult editon が同時発売になったのは今回が初めてなのだが、こんな表紙ならばわざわざ adult edition を
別に出版しなくても…と思わせるような絵柄とも言える。
とはいえ、けばけばしいとも言える children's editon の色彩は敬遠する大人もいるだろう…。


今回、ハードカバーで adlut editon が出たのは初めてなのだが、実は、絵のついたカバーをとった中身が実にシック。


挿し絵


挿し絵がまったくないUK版に対して、US版、日本版は章ごとに挿し絵が描かれている。
日本版のイラストは抽象画っぽくもあり、読者の想像力を邪魔しないのには好感が持てる。
…に対して、US版は低年齢層を意識しているのか、
理解、読解の助けになるような絵が挿入されているように感じる。


個人的な理想は挿し絵なしだが、ある程度低年齢層にも読んでもらおうと思えば、
挿し絵はないよりあるにこしたことはない。


フォント


UK版はいたってシンプル。
基本的に、同じフォントで、イタリックにしたり大文字化することで変化をつけている。
(あとはせいぜいポイント数を変えたものがでてくるくらいか…)


US版は、やはり低年齢層を意識しているのか、手紙の部分などはフォントを変えたり、
署名の部分は手書き風にするなど、数種類のフォントを使っている。
日本版は、US版以上に多種のフォントを使い、彩られている。


日本版から入るには、あまりうるさく感じなかったのだが、
一度、UK版を読んでしまうとこの多様なフォント使いがうるさく感じられてならない。
絵同様、読者の想像力が邪魔されているように思えてくるのだ。


ハリーの額の稲妻型の傷跡はヴォルデモートとの接点です。
たびたびハリーはこの傷…つまり接点があることで苦しんできたわけですが、
5巻でその傾向はますます顕著になりました。
この接点故、ハリーは悪夢に苦しみ、ダンブルドアには避けられ、遂にはヴォルデモートにうまく利用されてしまいます。


「〜賢者の石」の1章で、ベビー・ハリーの額の傷に気付いたマクゴナガル先生が
「これを消すことはできないのですか?」とダンブルドアに尋ねます。
ダンブルドアは「できない。仮に出来たとしてもそうはしない。」と答えます。
ダンブルドアですらできないと言っているのですから、おそらく消すことは
出来ない、つまりハリーはヴォルデモートと接点を持つ運命を背負ってしまった、
ということなのですが、注目すべきは「仮に消すことができたとしても消さない」
とダンブルドアが言っていることです。
その理由は「handy」になることもあるかもしれないから。


handy どころかむしろその逆。
その傷がヴォルデモートとの接点だということを、ダンブルドアが最初から
認識出来たとは思いませんが、これは見誤ったとは言えないでしょうか?
ダンブルドアは、ハリーが運命を背負うことを明らかに指示したとは言えないでしょうか?


ヴォルデモートがハリーを殺せなかった理由を、ダンブルドアは「わからない」と言いました。
が、リリーの血縁であるペチュニアがいるダーズリー家にハリーを預けることを決断したということは、
その時点で、リリーの血がハリーを守ったことを知っていたとしか考えられません。
(リリーが最後にハリーにかけた魔法を教えたのがダンブルドアだったのでしょうか)
「〜賢者の石」を狙ったクィレルをハリーが倒してしまったことから、初めて
わかったこととは思えません。


また、ヴォルデモートが狙ったのは、ポッター夫妻だけでなく、
他の有力な魔法使い達も次々に狙われました。が、全ての狙われた魔法使いが
秘密の守人をたてるなどして隠れていたのでしょうか。
隠れているだけでは攻撃どころか防御もままならないと思われますから、
殉死したとしか思えないような騎士団のメンバーもいます。
騎士団のメンバーの中でも優秀な部類に入ると思われるポッター夫妻が
ゴドリックの谷に隠れていたのは、子供がまだ幼いから、というだけではなく、
ダンブルドアが知っていた prophecy (予言書)の内容があったからこそ、と
思われます。


すべてを把握しているのはダンブルドアだけ、って感じですが、
そのダンブルドアにずいぶんとハリーの人生は左右されているように思えます。
そのダンブルドアの決断として、ハリーに傷跡を残す、というのは果たして
賢い選択だったのでしょうか?(事実は、消したくても消せなかったのですが)

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