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これだけのボリュームがありながら、目次がないのは UK版。
これはお国柄だろうか?
目次を見て中身を想像してから読むかどうか決める、なんてことは、UK版だったらできない。
これは新たな読者を獲得する上で不利な条件にならないとも限らない。
…が、Harry Potter シリーズは、目次がないことを念頭において章タイトルをつけているように思われる。
一番それがわかりやすいのが、4巻「〜炎のゴブレット」。
12章 The Triwizard tournament (三大魔法学校対抗試合)
17章 The Four Champions (四人の代表選手)
3校対抗なのに、代表選手が4人とは、これは筋をばらしているようなものだ。
これから読む章の章タイトルすら知らずに読み進めていった方が、ずっと面白いストーリーだと思うのだが…。
表紙絵
私が好感を持っているのは、UK版よりもUS版よりも日本版である。
それは物語の一場面を表しているものではないからだ。
目次を知らない方が面白く読み進められるのと、同じ理由。
物語の内容に触れるような絵もない方がいい。
私は、日本版から Harry Potter シリーズに入ったのだが、原書も読んでみようと思った時、
本屋でUK版の表紙(その時は adult edition はまだ出版されていなかった)を見てショックを受けた。
ショックのあまり、原書を読むのを、その時はやめてしまったくらいだ(笑)。
なぜショックだったかというと、絵が物語のネタばれであること、
主人公ハリーのイラストが自分のイメージと合わなかったこと。
そして、UK版の場合、「〜 Philosopher's Stone」と「〜 Chamber of Secrets」では表紙絵のイラストレーターが
違うのか同じシリーズにもかかわらず絵のテイストが違うのも不満だった。
(最後の点については、UK事情としては珍しくないことのようだが)
US版の場合も似たり寄ったり。
ネタばれ感はやや薄らぐもののそれでもやはりネタばれはネタばれ。
アメリカンなハリーのイラストはもっと苦手(←個人的嗜好です)。
絵のテイストが統一されているのはかろうじて好印象だが、それでも手にとろうという気を起こさせる程の魅力はない。
その後、UK版 adult edition が出版された。
モノトーンでシックなイラストになり、主人公ハリーは表紙から姿を消した。
読者が自由に思い描けるよう人物のイラストがなくなったのは歓迎だが、
やはりネタばれな絵であることにはかわりなく、
今度こそ入手しようという気にさせる吸引力はなかった。
(結局、若干、安いという理由で UK版Children's edition を買って読んだ)
ところが、5巻「〜 Order of the Phoenix」になると少し事情が変わってくる。
US版は同じ路線で物語の一場面 (それもクライマックスではないか!) だが、
UK版は、children's edition, adult edition ともに不死鳥の絵である。
結論から言うと、UK版の表紙絵は、物語の一場面ではない。
物語の一場面であろうとなかろうと、
本のタイトルが「〜 Order of the Phoenix」なので表紙に不死鳥(phoenix)が描かれていたところで、
絵が原因でネタばれだなんだかんだとは言えない。
adult editon が同時発売になったのは今回が初めてなのだが、こんな表紙ならばわざわざ adult edition を
別に出版しなくても…と思わせるような絵柄とも言える。
とはいえ、けばけばしいとも言える children's editon の色彩は敬遠する大人もいるだろう…。
今回、ハードカバーで adlut editon が出たのは初めてなのだが、実は、絵のついたカバーをとった中身が実にシック。
挿し絵
挿し絵がまったくないUK版に対して、US版、日本版は章ごとに挿し絵が描かれている。
日本版のイラストは抽象画っぽくもあり、読者の想像力を邪魔しないのには好感が持てる。
…に対して、US版は低年齢層を意識しているのか、
理解、読解の助けになるような絵が挿入されているように感じる。
個人的な理想は挿し絵なしだが、ある程度低年齢層にも読んでもらおうと思えば、
挿し絵はないよりあるにこしたことはない。
フォント
UK版はいたってシンプル。
基本的に、同じフォントで、イタリックにしたり大文字化することで変化をつけている。
(あとはせいぜいポイント数を変えたものがでてくるくらいか…)
US版は、やはり低年齢層を意識しているのか、手紙の部分などはフォントを変えたり、
署名の部分は手書き風にするなど、数種類のフォントを使っている。
日本版は、US版以上に多種のフォントを使い、彩られている。
日本版から入るには、あまりうるさく感じなかったのだが、
一度、UK版を読んでしまうとこの多様なフォント使いがうるさく感じられてならない。
絵同様、読者の想像力が邪魔されているように思えてくるのだ。