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2冊め「ハリー・ポッターと秘密の部屋」読了後から待たされること約10ヵ月。 一刻でも早く読みたいので、発売日に入手しそこなかったら悲劇だ。 予約しようかどうしようか迷った挙げ句、結局予約しなかったが、発売日に難なく入手することができた。 …のわりには、3作目は読むのに1週間もかかってしまった。 何もかもほったらかしにできるほどの時間的な余裕がなかったのが最大の理由だ。
2度あることは3度あるわけで、ハリーは再びダーズリー家で、つまらない夏休みを過ごしている。 「宿題をやりたいのにやらせてもらえない…」の下りは思わず笑ってしまう。 そして、また、ダーズリー家で事件は起き、ハリーは学校に戻れないのではないかと絶望しかける。 が、そこはちゃんと救世主(!)が現れるという仕掛けは同じだ。 それでも飽きないよう豊かなストーリーになっているのは素晴らしい。 3回目のハリーの敵は意外に早く明らかになる。 明らかになる、といっても得体がよく知れないのは同じ。 それに加え、新たな登場人物がストーリーに彩りを添える。 誰が謎を解くキーになるのか、興味をひきつけられる。 そして、魔法界にまつわることも新たにいろいろ語られ、奥行きが広がる。
活躍するのは新しい登場人物ばかりではない。 2巻目では活躍度がいまいちだったスネイプ先生が、再び意地悪な雰囲気とさらなる謎を漂わせる。
興味をひきつける要素はいろいろあるのだが、肝心の敵はなかなか捕まらず、ストーリーはなかなか核心まで進まない。 飽きさせることはないが、ぐぃぐぃと先に引き寄せる吸引力には、前半はやや欠けるかもしれない。 が、後半は読み出すと止まらない。 クィディッチの試合の描写は、文章に躍動感がよく表れていると思う。 ハラハラドキドキ、そして読み進めずにはいられない。 スネイプ先生によってハリーがピンチに陥りかける場面は、ハラハラものだ。
期末試験で占いのトレローニー先生が謎の予言をした後、事件は急転回して謎の解明に向かう。 例によって例のどんでん返しで、ほとんど説明に終始している章が続く。 この説明の量は半端ではなく、説明に終始している為クライマックスとしては、ややインパクトに欠けるようでもあるが、読み進めずにはいられない。 ところが、謎解きがクライマックスではないのだ。 つまり、謎が解明されて一安心といかないのが、またもどかしい。 複数の事件が複雑に関係しあい、からみあい、とりあえずの解決策に向かうところは、再び、冒険活劇のような展開でドキドキハラハラする。 すべては、この最後の冒険活劇への伏線だったのだ。 続巻に望みを託し、3作目の物語は終る。
単純にハッピーエンドとは言えないところが、この「〜アズカバンの囚人」のストーリーの辛いところだが、ここまできたら、これ以降の話に期待するしかないし、また充分期待させられるだけのものを、3作のストーリーが物語っている。 繰り返しになってしまうが、良い意味で、読者の予想を裏切る手腕には舌を巻く。
雑感ルーピン先生はなぜホグワーツ特急に乗っていたのだろう…。