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1冊目「ハリー・ポッターと賢者の石」を読み終った直後から次を読みたくてたまらない。 発売間もない2作目(訳本)をすぐに買いに行った。 (実際には数日の間があったと思う。) 「〜賢者の石」の時と同じように、通院の待ち時間を利用しての読書。 もちろん待ち時間だけでは読み終えることは出来なかったが、すべてをほったらかして読み続けて、やはり1作目同様、一日で読破してしまった。
自分が魔法使いであることを知り、ホグワーツの寮で暮らすようになり、ハリーの生活は一変した。 ハリーは薔薇色(!)の日々を過ごしていると思いきや、夏休みに帰る所はプリベット通りのダーズリー家。 そして、ダーズリー夫妻はハリーの保護者なのだ。 魔法学校の生徒はホグワーツの外で魔法を使ってはいけないこともあり、以前とほとんど変わらないつまらない日々をハリーは過ごしていた。 薔薇色(!)街道を上昇しているだろうという期待を見事に裏切り、話は振り出しに戻る。 いきなりホグワーツ行きの特急に乗るところから話を始めないところが、うまいと思う。 2年生では何が起きるのか?という期待の持たせ方も上手だ。 最初に出てくる登場人物は「〜賢者の石」でお馴染みの人ばかり、ということで頭の整理をすることなくぐぃぐぃとストーリーにひきつけられていく。 ドキドキハラハラするスリリングなシーンが最初からあるのも2作目ならではかもしれない。 読者の頭の中には「今度は2年生での話だから、最初はやはりホグワーツ特急に乗って…」とある程度物語の流れに対してイメージがあるのだが、それをほどよく裏切ってくれるのは心地よい。 ウィーズリー家の生活ぶりを通して、魔法使いの家庭の生活や魔法界について描かれているのもなかなか新鮮である。 作者ローリングの描く魔法界について、新しい発見の連続だ。 「〜賢者の石」で描かれた魔法界は、ホグワーツ魔法学校とダイアゴン横丁だけだったのだが、2作目では一般家庭や魔法省なるお役所のことにも触れられている。
ホグワーツでの生活も2年目となると慣れてきたもの…とはいかない。 ハリーの新たな悩みのタネは、やたら親しげにしてくる新任のロックハート先生とハリー・ファンの追っかけの新入生。 いじめっこのドラコも健在だ。今度はクィディッチで勝負となる。 クィディッチといえば、ほうきの最新ブランドが「ニンバス2001」になっているところが面白い。
そして新たな事件が起こる。 事件は謎めいていて、解明されないまま日は過ぎ、さらに悪いことにはハリーは悪者扱いされてしまうのだ。 汚名をはらすため、ハリーは事件の謎に挑戦する。 ここでも頼りになるのは、親友のロンとハーマイオニー。 先生の目を盗んで、他の生徒を欺いて、次から次へといろいろやってのけるのには、「〜賢者の石」のドラゴンの一件のときより、ハラハラドキドキさせられる。 ハラハラさせられるわりには、なかなか謎の核心に近付いていかないのがもどかしい。 「〜賢者の石」の時は、少しずつだがストレートに謎が明らかになっていったが、「〜秘密の部屋」ではだいぶ回り道をしているような気がする。
また、大人たちの暗躍(といっていいのかどうか…)も新たな要素だ。 ロンの父親を始めとする魔法省の関係者や、ドラコの父親が頻繁に物語に登場する。
謎に次ぐ謎で、行き詰まったかと思わせたところで、事件の謎が解け始め、やがて、敵との対決を迎える。 対決後も気が抜けない。残った謎もすべて明らかになり、物語は終る。 物語の粗い筋は1作目と似たようなものなのだが、切口を変えて語ることによって、まったく読者を飽きさせない。
良い意味で、読者の期待を裏切るストーリーテラーとして作者の才能はなかなかのものだ。