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「ポッタリアン情報局」分室。 今後はこちらを中心に更新していきます。 原書購読奮闘記のログ、コメント、その他のコンテンツも順次こちらに移行する予定です。 各記事にコメントをつけられますので、ぜひ、どうぞ。 お待ちしております。
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シリーズ最長の5巻。
いたるところ、ディテールが書き込んであって面白いですが、ここまで長い物語となると、
書き込まれているわりには、クライマックスへの伏線になっていないものもちらほら。
ひょっとして、6巻、7巻への伏線?
そんな項目をピックアップしてみます。



七変化(Metamorphmagus) のトンクス(Tonks)


5巻で初登場の新キャラの中では、随所に登場し、かなり目立っている方と
言えます。
でも話の本筋に密接にからまっているかというとそうでもありません。


  • ダーズリー家から騎士団本部までのハリーの護衛の中の一人で騎士団の一員
  • ダーズリー家でハリーの荷造りをしてくれた
  • (新米)闇祓い
  • 神秘部にハリー達の助けにかけつけてくれた騎士団のメンバーのうちの一人

これだけの役割を担っているのですが、例えば、これが別のキャラ、さらに場面ごとに別々のキャラに割り振られていても何ら不都合のないように思われます。
一貫して、Tonks が担う必要の役割とは思えません。


さらに言えば、七変化という性質はいったいどんな意味があったのでしょう?
トンクスのこの性質と、ちょっとドジ、という性格が、暗く湿っぽくなりがちな騎士団本部の中を明るくしていたような気はします。
が、それだけのためだとしたら、大げさすぎます。
きっとこれは次巻以降への伏線になっているに違いありません。



ルーナ・ラブグッド


5巻で初登場人物の内、アンブリッジ(Umbridge)と共に章タイトルに現れた新キャラ。
…のわりには、いまいちな感じがするのです。
ハーマイオニーとは正反対とも言える性格で、描くのが楽しかった、と
著者ローリングさんは言っているようですが…。
ハーマイオニーにしても、かなり変わっている方だとは思うのですが、
別の意味でルナも変わっています。
「ハグリッド…先生としてはどうかしらねぇ〜」と
ハリー達とは違う第三者的な立場ではっきり言ってくれるキャラも
初めてです。


  • ホグワーツ特急で同席
  • お父さんが The Quibbler というジョーク雑誌の編集長。反魔法省(大臣)派。
  • 上級生用の馬車をひく馬が見える
  • DAのメンバー
  • 第三者的な立場をとりながらもハリー達に加担。神秘部へ一緒に忍び込む。
  • 学期末のお祝いパーティーを抜け出しているハリーと出会う。

大まかにこれだけの役割を担っています。
同じキャラがこれらの役割を担うことで話がスムーズに流れているといえば
そうですが、場面ごとに別々のキャラに割り振られていても、それはそれで
不都合はないように思われます。
上級生用の馬車をひく馬が見えることは、例えばネビルに言わせてもいいわけですし…。


神秘部へ忍び込むメンバーは、ハリーに加え、ロン、ハーマイオニーは当然として、
ジニーはなんとなくわかります。Order 本部でハリーの夢の苦悩をまのあたり
にしていたわけですしね。
ネビルはなりゆきっぽいですが、神秘部へ忍び込んでからの彼の姿が感動的だったので、
ぜひネビルには行ってもらわねばなりません(笑)。
そこで、ルナは?
そもそもアンブリッジの部屋に忍び込むのを加担したなりゆきですが、では
なぜ加担する気になったのか。偶然そこを通りかかったのも出来すぎ(苦笑)。
極端な話、ルナが一緒に行かなくてもいいようなそんな気もします。


そして、最後にハリーと出会う場面は本当に必要な場面なのかどうか、
未だ疑問です、個人的には。


ホグワーツ特急で偶然同席したのをきっかけに、どんどんハリー・サイドに
引き込まれているのですが、未だ立場が中途のような印象です。
今後も、第三者的な立場からハリー達に影響を与えていくような、そんな気がします。



巨人 Grawp


一応章タイトルになった新キャラ…。
「禁じられた森」でハリー達の窮地を救ってくれるという大役を果たしました。
それで充分といえばそうなのですが…。


ただし、問題は、ハグリッドの弟なんです。
同族からは孤立無援になってしまった巨人なんです。
ハグリッドは当然、世話しつづけるでしょうから、
今後ハリー達に影響が皆無とは言えないでしょう。
ハーマイオニーを「ハーミー」と呼ぶなど、若干進歩が見られますし、
交渉決裂してしまった巨人族との橋渡しをするなど、
何らかの役割がまだ残っていそうです。



ミンビュラス・ミンブルトニア(Mimbulus mimbletonia)


ネビルの持っていたレア植物ミンビュラス・ミンブルトニア。
ハリーは、この植物が出すスライム状の物質を運悪く浴びてしまったところで、チョウに出会い気まずい思いをします。
ハリーとチョウの関係を描く上で、気まずい思いをする場面を作り出す必要があったのだと思われますが、そんな場面を作り出す方法ならいくらでも他にも考えられると思います。
ですから、むしろ、この植物のもつ性質が強く印象づけられる場面です。


グリフィンドールの入り口の合言葉が、たまたま「ミンビュラス・ミンブルトニア」。
そのため、いつも合言葉を覚えられないネビルがたまたま知っていて、ハリーも一緒に寮に入ることができます。
既に寮内には、フレッドやジョージもいたのですから、ハリーがむしゃくしゃしていて合言葉を知らなくて…という場面に助け舟を出すのはネビル以外にもいくらでも考えられます。


ここまでくると、ミンビュラス・ミンブルトニアは絶対何かの伏線になっていると考えたくなってしまいます。



29章


ローリングさん曰く次巻へのヒントがある章だとか。
ここでどんなことがあったか簡単に整理してみましょう。


  • ペンシーブに移されたスネイプ最悪の記憶で、ハリーは父親の若き日の
    姿を見て思い悩む。
  • 進路相談の面談を受ける。ハリーの希望は闇祓い。
  • 双子の助けを借り、シリウス(とルーピン)から、学生時代のことを聞かせてもらうことに成功。
  • 騒ぎを起こしたことで双子は颯爽と自主退学

どこがどうヒントなんだかさっぱり…なんですが、過去(自分の過去ではなく親が自分くらいの年代だった頃のこと)と将来、がキーワードですか?

  • たぶんハリーの父親やスネイプの学生時代のことが何らかの方法でもっと明らかになる。
    何らかの方法ってなんでしょうね。生き証人と言える人は、
    ダンブルドア、マクゴナガル、フリットウィック先生?、ハグリッド、
    スネイプ、ルーピン、…まさかワームテイルはないでしょう…、
    あるいはもっと別の誰かが現れる?

  • ハリーとスネイプの間に生じているわだかまりも変化する。
  • 卒業後の進路に向けて具体的な行動が開始される。

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