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クリスマス休暇も終わりに近づき、ホグワーツに戻りたくない、とハリーは初めて思います。
クリスマス休暇をホグワーツの外で過ごしたのも初めてですが。
その原因は、アンブリッジ…。
クィディッチをすることもできなくて、楽しみにすることなんてありません。
15歳と言うと、学校に行くのが楽しい、と思わなくなる年頃ですよね。
休暇も最後の日、ハリーはスネイプに呼び出されます。
スネイプがハリーを呼び出す!?
読者だって耳(目)を疑いたくなりますが、ハリーだってそうです。
何回も聞き返してしまいます。
まさか、宿題で最低の「T」をとってしまったのかと不安になります。
そして、スネイプがいるというキッチンに降りていくと、
そこにはシリウスとスネイプが二人…。
これ、想像するだけで緊迫感というか何とも言えないムードが感じられますよね。
ゾッとするやら、おかしいやら。
ダンブルドアの命令でハリーと二人きりで話す、と主張するスネイプに、
シリウスは自分は名付け親でハリーの親代わりだと食ってかかります。
仕方なくスネイプが折れて、シリウスの同席を許します。
そうですよねぇ、親だと言われたら、席を外せ、とは言えませんよねぇ。
スネイプの話は、というと、ホグワーツに戻ったら、
ハリーはスネイプから Occlumency の個人レッスンを受けなくてはならない、
しかも極秘で、というのです。
Occlumency というのは、うまく説明ができないのですが、
外的要因から身ではなく心を守るセルフマインドコントロール法といったところでしょうか。
もちろん魔法の話です。
スネイプが、「自ら個人レッスン教師の役目を申し出たのではない!」と
念を押すところが何とも…(苦笑)。
「魔法薬学より良い成果を出せることを期待する」ってのも嫌味ですねぇ〜。
この話を聞いたロン曰く(極秘と言ってもロンとハリーはツーカーですから)、
「スネイプから個人レッスンを受けるくらいなら悪夢にうなされる方がましだ」。
そうとも考えられます(笑)。
もちろんシリウスは心配します。シリウスは、どこか大人になりきれていない
部分を持ち合わせていますね。すぐ熱くなるというか…。
ナイトバスでホグワーツに戻り、早速、スネイプの個人レッスンが始まります。
授業なのだから、「Professor」または「Sir」を使うようにと、念押し。
これって、日本語にするとどちらも「先生」になってしまいますね。
実習に入る前に、スネイプとハリーのやりとりが続くのですが、その中で
ハリーは平気で「ヴォルデモート」と言います。スネイプは「Dark Lord」。
ハリーがあまり「ヴォルデモート」と繰り返すものだから、スネイプは
名前を言ってはいけない、と怒ります。なぜなんでしょう?
ハリーはダンブルドア先生は名前を使う、と主張しますが、スネイプは、
ダンブルドアは魔法使いとしての格が違うというようなことで切りかえしてきます。
この場で、スネイプに逆らってもいいことがあるわけないので、ハリーは
「he」を使ってごまかします。
スネイプは、一般によく使われている「You-know-who(例のあの人)」ではなく
「Dark Lord」と言っています。デス・イーターだったことが関係あるのでしょうか。
ハリーがヴォルデモートの行動を把握することができる、というのは考えようによっては
相手の動きがわかって便利ではないか、それでも、Occlumency で守る必要があるのか、
と読者が考えるのと同じようなことをハリーが代弁して質問します。
その答は、ハリーが心配したことと同じで、逆にこちらの動きを知るために
ヴォルデモートがハリーの心にアクセスするようになったら困る、というものでした。
実習はハリーにとってなかなか辛いものでした。
スネイプの魔法を防ぐことにことごとく失敗し、自分の心の内をさらけ出して
しまいます。もちろん、その中にはチョウのことも。
そういえば、ハリーは次回のホグズミード行き(しかもバレンタイン・デー)に
チョウを誘って OK をもらっていたのでした。
この Occlumency は魔法の訓練ということになっていますが、
ファンタジックというよりは、現実的な内容です。
つまり、魔法ということを除けば、現実世界でも応用できそうなテクニックだということ。
ハリーの年になれば、外の世界の煩わしいことからある程度、自分自身で身を守る術を
得ていかなくてはなりません。いつまでも誰かが守ってくれるわけではありません。
そんな妙に現実じみたところが、Harry Potter シリーズの魔法らしくない
魔法の世界です。